今日は2014年1月13日、1994年生まれの新成人のみなさま、おめでとうございます。













もう一つ僕自身がお祝いしたいのは、インターネットです。1990年代の初頭から始まった商用インターネットがある意味、成人を迎えたと言っていいことです。93年 - 94年に生まれた子どもたちは、生まれたときからインターネットがあったいわゆるデジタルネイティブであり、インターネットネイティブです。その子たちがこれからインターネット社会に出てくるにあたって、これまでの20年間のテクノロジーと社会の変革をまとめてみたいと思います。
このストーリーは、2005年に僕がソフトバンクにいた時、そして検索事業に挑戦するためSoftBank Roboという子会社を立ち上げる時にまとめた1000ページ近くにも及ぶ「インターネットの未来」というプレゼンをベースにしています。当時はWeb2.0の旺盛があり、GoogleのIPO後のネット検索時代の幕開け、ソフトバンクによる携帯電話事業参入前の戦い、AppleがiPhoneという世界を一変してしまう電話を再発明する少し前の時代のことです。
あれからもう10年近く経つのか、と思うと感慨深いです。遂にデジタルネイティブが社会に出てきて、我々70年代生まれのアナログとデジタル時代の両方を知っている人たちと一緒にこれから大きく世界を変えていく土壌が整ったことを意味しています。
インターネット、Web2.0、クラウドコンピューティング、ブラウザ、ソーシャル、スマートフォンそしてアプリ、ソフトウェアテクノロジーが世界を飲み込んで、20世紀の社会インフラを根底から覆していきます。多くの人々はそれはテクノロジーが成し得ている現実だと思うかもしれませんが、その本質は、テクノロジーを作る人々であり、それを使う人々の変革の物語なのです。このストーリーはいつの時代でもテクノロジーを支えているのは、私たち人間であることと、どんなにデジタル社会が発展しても、そこに生きているのは紛れも無く人間であること、というのが根底になっています。
「テクノロジーの中心には、人がいる。」
これが21世紀のあらゆるものがソフトウェア化される世界で最も重要な認識です。
この20年、インターネットの世界で何が起きたのか、そしてこれから先の未来で何が起きるのか(未来はもちろん誰にもわかりませんが)想像の旅に出てみましょう!このストーリーがこれからリアル社会とデジタル社会の両方に出てくる新成人のみなさんの道標(デジタルネイティブの物語)になればと思います。
本ストーリーは、2005年当時のインターネット産業をベースにしております。その後環境やテクノロジーの変化に応じて定期的にアップデートをかけて補正していますが、できるだけ当時ままをベースに今日の姿につないでいきます。そのため、参照しているデータ等現在からは相違がある場合がありますので予めご了承ください。また使用している画像、映像には著作権を有するものがあります。
(英語: Sir Timothy John Berners-Lee, OM, KBE, FRS, FREng, FRSA、1955年6月8日 - )は、イギリスの計算機科学者。ロバート・カイリューとともに、World Wide Web(WWW)を考案し、ハイパーテキストシステムを実装・開発した人物である。URL、HTTP、HTML の最初の設計は彼によるもの。
1990年、ティム・バーナーズ・リー博士は、今日のウェブと呼ばれるワールド・ワイド・ウェブを公開します。Wikipediaに書かれていることですが、世界初のウェブページは、今は亡きスティーブ・ジョブズがAppleを追放された後に作ったNEXT社のNEXTSTEPというマシンをWebサーバにしたものでした。ブラウザのアドレスバーに http://というわけのわからない文字列(ハイパー・テキスト・トランスファー・プロトコル)を打ち込むことが始まった瞬間です。
1990年、最初の一つから始まったURL(ドメイン)は、20年後の2010年には2億個を超えるまでに成長しました。(2013年には2億5000万個)ティム・バーナーズ・リーが発明した最も重要なものの一つ、それがハイパーテキストによるリンクです。今日、何気なくテキストや画像をクリックして次の関連する情報にリーチできるようになったのは、このハイパーリンクのおかげなのです。ハイパーリンクとウェブの仕組みが、後にウェブブラウザを生み、そのリンク構造を解析したページランクという仕組みがGoogleを生み出すのです。
今スマートフォンで手のひらにあらゆる情報があるものも、この基本的なWWWの仕組みが1990年に確立されたからにほかなりません。
今日、二十歳を迎えたデジタルネイティブの新成人の父が、ティム・バーナーズ・リーなのです。