インターネットの未来
テクノロジーだけではなく感性を発信すべき
![]() オリジナル記事はこちら 小学生のときの写生大会で“空”を表現しました。そのとき、書いた絵のなかに実際に目に見える空というのは、ほとんど白に近い薄い青だと感じました。感じたままに、そのように塗っていると、先生が見て「それは空の色じゃない、空は青く塗れ」と言ったのです。本当の空の色じゃないのに……。また、子供の頃、信号の色がどう見ても緑にしか見えませんでした。しかし、大人たちは青信号と呼んでいるのです。最近では、LEDを使うことで青に近くなりましたけど。「緑に見えるのに、なぜ青信号というのか」、子供心にその理由が知りたかったのです。「なぜ、大人は、明らかに間違っているモノを良しとするのだろう」と、思いました。「その頃から人の価値観というものに興味を持ちました。それと同時に情報に対する興味もありまして、小学校の高学年の頃から当時のパソコンを使うようになったのです。理系でずっと育ってきて、コンピュータリテラシーは積み重ねていました。そして、大学に入った頃にインターネットが出てきて、物事を自分ですぐに調べられるようになってきたのです。また、大学生のとき、ワーキングホリデーでオーストラリアに行きまして、その時に見た空の色は、本当にスカイブルーでした。そのときに、空が青いということは分かりました。分かったのですが、大人たちが既成概念で見ているモノと本当の答えは違うと感じました。結局のところ、自分で答えを探す能力を身に付けないとダメだということを20歳ぐらいの時に悟ったのです。そのときの気持ちを忘れないように、いま自分のメールアドレスに“sora”とつけています。大学では、コンピュータテクノロジーの他にバイオロジーも専攻しました。コンピュータテクノロジーの対局にあるアナログとか自然の見方を心得ておかなければ、結局は常識とか既成概念などに迷わされてしまうと思ったのです。インターネットは、正しい答えを見つけ出す手段といえます。しかし、本当にそれが正しいかは、価値観によって変わってくるので自分で判断しないといけません。いま自分がやろうとしているのは、自分で判断できるような教育です。いままでの教育は、先生とか偉い人に「これこれこうですよ」というように教えられてきていました。ところがいまのテクノロジーを使えば、自分で答えを探しだすことができるのです。調べるツールを使うスキルを教えたいと思っています。いま日本で見えているものが必ずしも正解ではないですよ、と。例えば、ハワイ島のマウナケアに行けば素晴らしい満天の星空が見えるのに、東京では同じように見えないのか? なぜひとつの場所では見えるのに、一方の場所では同じように見えなくなってしまったのか?僕は、そういうことに気づいて欲しいのです。その違いを理解していくことが、人種とか文化とか、他者を理解することに繋がっていくと思っています。 インターネットの世界では、情報を追い求めてくことがどんどんできるようになってきています。正しい使い方をすれば、自分の価値観にあった正しい情報を見つけることができるのです。もうひとつは、自分と同じように思っている人が見つけやすくなりました。重要な点のひとつは、Googleの力で世界中に散らばっている情報をキーワードひとつで、自分で答えを求めることができるようになったことです。ふたつ目は、「自分だけがそう思っているんじゃないか?本当にあっているんだろうか?」と不安に思うことがあると思いますが、それを別の人に確かめる手段ができたのが、ソーシャルネットワークであり、ソーシャルプラグなのです。デジタルネイティブと言われる、生まれた時からインターネットがあって自分で答えを探せる世代というのは、たぶん、もう我々とは物事に対する考え方とかコミュニケーションの仕方とか、国とか文化とか人種とか歴史観とか、様々な社会問題とか、世界の問題に対する考え方とかが変わってくると思っています。 日食や月食など宇宙のイベントは、世界の人たちを同じ関心事で繋ぐ、数少ないチャンスになります。2011年12月に、皆既月食がありました。日本という国の中で、宇宙のイベントを共有できた瞬間です。皆既月食に興味を持ち自分と同じように感動してくれる子供たちもたくさんいたでしょう。そういう人たちが、例えばJAXAのFacebookで繋がっていくことが想像できます。それがきっかけで、自分と同じように感じてくれる子供がいろんな地方にいることが分かれば、「その人に会いたいとかそこに行きたいとか」という動機が生まれます。親にせがむ旅行もディズニーランドとか海外ではなくて、「この間、月食をきっかけにネットで仲良くなったあの子に会いに行きたい」とかになったりして。そうすると、親は何が起きていたのかわからないですよね。ディズニーランドよりも「あの一瞬、気持ちを共有できた人に会いたい」というようなことも起きてきたりします。そいったことが、その子にとっての価値観の変化なのです。そこではじめて親は、「なぜ自分の子供がそのように考えるようになったのか」に気づきます。社会の価値観や感じ方、あるいは情報の接し方、答えの見つけ方、人との出会い方など、全部、少しずつ少しずつ変わっていっているのです。 昔の人は、どんな風に月食を感じたのだろう、と思ったりします。テクノロジーのない時代を想像するのです。いまは、月食という一大イベントを日本中で共有できます。少し前までは、家族や近所の人以外、誰とも共有できませんでした。江戸時代や平安時代の人は、月食にどんな感情を抱いていたのでしょうか。宇宙の原理を知らず、共有する人もいなければ、とても恐ろしいことと感じてしまいそうですよね。いまは、月が地球の陰に入るということが分かっていますから恐怖感はありません。昔は、すべてが神秘な故に月食にまつわる伝説や物語が生まれたわけです。例えば、そういうことを伝えるいいタイミングなのです。なぜ、歴史とか文明とかルールがきまったのか。それに付随する古い情報も一緒に出してあげると、人々はとても想像力を掻き立てられて物語を作るわけです。そこで、大人の威厳も保てます。なぜ、昔の人は、月に兎がいて餅をついていると思ったのかとか、かぐや姫の話しとか、子供の頃に、そういう情報に接していれば接しているほど、ある日突然、“なぜ?”という気持ちが蘇ってくるように感じます。例えば、月の綺麗な日にイベントとして、“なぜ、昔の人は月に兎がいると思ったのだろう?”とか“月のどこが兎に見えますか?”とか、誰かJAXAのスタッフがネットワークのなかで呟いてくれたら、いろんな人が盛り上げてくれると思います。 大切なのは、言葉ではなくて感性で伝えて感性で繋がることです。インターネットの世界で生きている子供たちは、言葉ではなく感性で繋がることができるのです。単純にいうと“いいね!”ということだけで繋がります。外国とか外国人という概念さえないのです。“いいね!”ということで繋がりさせすれば、どこの国の人だろうが、男性だろうが女性だろうが、何歳だろうが、そんなことはまったく関係ありません。流れている情報が、純粋にいいと思えばただ“いいね!”をするだけなのです。テクノロジーは明らかに進化しました。いままでは、絶対無理だろうと思われていたことをほんの少し良くしてくれたのです。これまでの20世紀な考えでは、自分が影響力のある人に会いたいと思うと、自分が同じよう影響力のある人間になるか、凄いお金を使うか考えつきませんでした。しかしいまは、想いさえあれば、だれでも実現する可能性があるのです。例えば、レディー・ガガのファンの10歳の少女がYouTubeに、レディー・ガガの曲を弾き語りした映像を親がアップしたところ、それを観たレディー・ガガがTwitterで呟き、やがてライブで本人とデュエットするに至りました。真実はわかりませんが、レディー・ガガはこの少女の歌によって、自分がなぜ音楽を志したかということを思い出したということです。つまり、テクノロジーによって、ノスタルジーを呼び覚ましてTwitterやFacebookに呟きました。レディー・ガガの5000万人ぐらいのフォロアーがいるので、あっという間に広がったわけです。TwitterとFacebookが登場する以前の時代だったら、例えばジョン・レノンがいくら言ったとしてもマスメディアが取り上げない限り、広がることはありません。いまは、影響力のある人が呟いた情報は、一瞬にして全世界に届くようになったのです。 すべての人の繋がりは、オンラインにあるからある日突然亡くなってしまっても自分のデータが無くなるということは無いのです。繋がった人は必ず見つけられるのです。自分が能動的に切らない限り、失うということはありません。それはテクノロジーを体験していない人たちは、紙に書いていた電話帳を失った途端に、繋がりも失ってしまって安否情報も確認できなかったりするのです。例えば、東日本大震災の時、郵便局の人たちは膨大なコストをかけて被災地の避難所にいた人たちのデータベースを作って仕分けしたりしていました。一方、Facebook世代の子供たちが大人になったころには、仮にそんな災害があってもそういう膨大なコストがかからない連絡手段を持っているわけです。もし、そこに使われていたお金がFacebookに使われたとしたらいったいどうなるか? という想像ができるかどうかが重要になります。そういう問題が起きているということに日本の政府は、まったく無関心なのです。それがどれくらいの影響力を持っているかということを知りません。新しい社会ができたのです。社会ということは、その上にできあがっている経済活動とかライフスタイルとか教育とか、あらゆるモノが影響を受けます。 例えば、東日本大震災で被災地に電気が来なくて困っていました。しかし、電気が無いのなら電気がないことを嘆くのではなくて、電気が無くなってことによって美しい星空が見えることを感謝して、むしろラッキーなのだというマインドにもっていったらどうでしょう。そういうのをJAXAが被災地の空を記録するとか、“星空を見ようキャンペーン”とかをやると都会にいる人々がボランティアというモチベーションではなくて、“星空を見に行こう”という目的を持って行けます。すべてには裏と表があるので、何か悪いことが起きたら良いこともある、良いことが起きれば悪いこともある、ということです。そういうことを子供たちに教えてあげないといけません。JAXAさんは、テクノロジーだでなく感性の部分も発信して欲しいと思います。 それはいろんな人からアイデアを募ることがいいと思います。それこそ感性の話しなので、それがどんなことなのかわからないのです。ただ、職員の方たちも毎日訓練することはできます。チャンスは度々訪れるので、常に何かアクションを起こすことが大切です。日テレで『天空の城ラピュタ』の中で「バルス(ラピュタ崩壊の呪文)」というセリフに合わせて、2chに「バルス」という大量の書き込みが行われてシステムがバンと落ちるのです。それが世界を駆け巡り、そのことがTwitterで史上最高のツイート数になっています。例えば、ISSが真上に来た時に「バルス」とムーブメントを作るとかはどうでしょう。ISSとラピュタは、同じく天空に浮いているので通ずるものがありますしね。今度、『天空の城ラピュタ』が放送されるときに、タイアップしてみたらどうでしょう。その時だけ、日本実験棟をラピュタと名付けてしまったりして……。日本には、宇宙にまつわる童話とか伝説とかあるので、いろいろなことができると思いますよ。 それは、若い人ではなくて、まさに皆さんの出番なのですよ。年を重ねていろんなことを経験した人が、子供の頃に何を感じていたかということを伝えることが重要なポイントになります。それを忘れないように、いまのテクノロイジーを使って、次の世代にうまく伝えていくという発想です。どんなにテクノロジーが進化しても本質的なことは変わりません。月に兎を見て、子供たちに宇宙の神秘性を伝えればいいのです。それが偉大な科学者を生むきっかけにも繋がっているのですから。“なぜ宇宙がすばらしいのか?”、“なぜ宇宙が大切なのか?”、“なぜ宇宙ステーションが必要になったのか?”、重要なのは、“なぜ?”という想いを持ち続けることなのです。自分で解決する必要はありません。答えは、もう委ねられるのです。 |
Apple と Googleの最終戦争 - Sonygleの誕生か
みなさんはGooglezon(グーグルゾン)をご存知だろうか。知っている人は知ってる有名な未来像だ。 Googlezonとは、近未来の予想を語るフラッシュムービー「EPIC 2014」の中で、2008年にGoogleとAmazonが合併してできるとされる架空の企業。 残念ながら日本語訳ビデオがなくなっているので英語が苦手な方は解説ページを参照してください。 「EPIC2014」は続きの「EPIC2015」もある興味ある方はこちらをどうぞ。 さて、今日僕はGooglezon(グーグルゾン)ではなく、SONYGLE(ソニーグル)についてその可能性を検証しようと思う。 AppeleとGoogleが最終戦争に突入したことは、最近よくメディアで取り上げられている。 「Apple Google 戦争」というキーワード検索してもズラズラ出てくる。 Appleのスティーブ・ジョブズCEOは公の場でもGoogleに対する攻撃を始めている。 アップルの特許訴訟--HTCが標的になった理由 GoogleとAppleがいよいよ対立へ まあ、このあたりは僕にとって昔のApple対Microsoftの焼き直しだね、みたいな感じで冷静に客観的に見ている。こうなることはもうずいぶん前 から見えてるから。それよりも重要な視点は、この戦いによって業界の勢力図がどのように変わっていくか妄想することだ。妄想なので仮説でも未来予想でもな い。 ■チャプター1:SONYはネット企業になれなかった 今日、ニュースで、「Google、ソニー、IntelがAndroidベース「Google TV」を開発中か - NYT報道」が出ていたが、さてさてさて、ここから未来を想像してみよう。 SONY、ヤバいですね。PS3も予想外で事実上SCEはSONYに吸収、PSP2も出るのか出ないのははっきりしない。ゲームビジネスはiPhoneや ソーシャルゲームのオンラインカジュアルゲームに移行しており、その対応ができていない。ウォークマンはとっくの昔にiPodにやられて、せっかく SONYミュージックを持っているのに、iTunesを作ることができなかった。薄型テレビ戦争では、ずいぶん前にプラズマから撤退し、液晶の BRAVIAがなんとかがんばっているが、世界的に見ればサムソンやLGの40〜50型で10万円代(下手すると10万円切る)価格破壊によってシェアは あがってない。利益も当然上がってこない。有機ELも撤退。 携帯電話事業のソニーエリクソンも好調とは言いがたく、世界シェアでいうと4.5%、今後スマートフォン化が進めば進むほどOSを持っていない携帯電話ハードメーカーはますます価格競争にさらされパソコンのような市場になっていく。。。 一方、iPhoneのシェアは2008年が8.2%だったのに対し、2009年には14.4%とシェアを大きく伸ばしている。また、Androidは2008年のシェアは0.5%だったが、2009年には3.9%となり、市場が立ち上がったと言えそうだ。 AppleがiPodとiTunesをリリースしてから約10年立つが、その間ソニーはネット戦略で有効な手を打てず、頼りのゲーム事業もユーザが付いて こず、テレビ事業は安値攻勢にあって、我々が知っているソニーの強さは影を潜め、徹底的にやられている。唯一、ソニーピクチャーズが好調だ。このコンテン ツ事業とゲームエンターテイメント事業を携帯電話やテレビと融合させる戦略が残っているが、どこまでうまくいくかわからない。 もう認めるしかないだろう。 今のエンターテイメント(音楽、映像(映画・テレビ)、書籍)ビジネスとテレビ、PC、携帯電話、モバイル端末ビジネスはネットビジネスであるということを。 そして多くの人がまったく理解不能状態にあるのはそれがクラウドコンピューティング+モバイルインターネットビジネスであるということだ。 残念ながら日本のメーカー(ソニー、パナソニック、シャープ、その他)はクラウドもモバイルも、OSもコンテンツ流通プラットフォームをもっていない! ハードウェアは限りなくフリーに向かい、ハードのコストはコンテンツやクラウドコンピューティングの利用料から半永久的に回収するビジネスモデルについていけてない。 ■チャプター2:Apple と Google の最終戦争勃発 AppleとGoogleは奇妙な関係だが、向こう10年を考えると対立せざる得ない。すでにiPhoneとAndroidが、iPadとAndroid スレートが、Apple TVとAndroid TV、iTunesとGoogle Search (Android Market)が、iTunesアカウントとGoogle Checkoutが、iPhone位置情報サーブスとGoogle Mapサービスが、と数え上げればきりがないくらい両者は対抗せざる得ないのだ。 AppleにあってGoogleにないもの、そしてGoogleにあってAppleにないもの、この戦争を左右する最大のものを上げよう。 ・クラウドコンピューティング Google は史上最強のクラウドコンピューティングパワーを持つ企業である。最近では太陽の動きで蓄電し、月の動きでクラウドを稼働させサーバを冷やす構想まで披露 したが、この巨大サーバ群に対抗するのは非常に厳しいだろう。だがGoogleのクラウドがマイクロソフトの事業ドメインをメインとし、メールやドキュメ ント、ウェブサイトを対象としているのに対して、AppleのクラウドはiTunesをベースにしており、音楽、写真、動画だ。動画はYouTubeを 持っているGoogleが優位性を持っているが、Appleのエンターテイメントクラウドは、すばらしいインターフェースを持ってユーザに感動的な体験を させることによって十分対抗できるだろう。 ・iPhone対Android 世の多くの人は、Mac対Windows戦争の再来と思うだろうが、ことスマートフォンの戦いに関してApple iPhoneはAndroid / Chromeに十分戦えるだろう。GoogleにはAppleのようなすばらしいハードウェアを作る経験が乏しく、スマートフォンのような身につける ファッション端末としての魅力が必要なものはさらに難しいだろう。Nexus Oneを当初SONY に作ってもらいたかったというくらいなのでハードウェアの戦いでGoogleがAppleに勝てる要素はまったくない! ・リビングルーム リビングルームにAppleはiPadと近い将来ほんもののテレビApple TVを持ち込むだろう。その場合、ハードとしてiPadとTVは付録のようなものでiTunesこそがリビングループの支配者となるだろう。リビングルー ムに求められるのはエンターテイメントであり、ビジネス情報やメール、株価情報ではない。GoogleがいかにAndrod TVを開発したとしてもiTunesに対抗できるコンテンツ流通プラットフォームを作らない限り、対抗するのは難しいだろう。 このように見てみると自ずと、GoogleとSONYの組み合わせこそが唯一Appleに対抗できる勢力となり得ることが見えるはずだ。 ディズニー / Pixarを持っているAppleに対して、SONY PICTURESが(マイケル・ジャクソンもいるぞ)、 ハードウェア設計で対抗するためにSONYのデザインとエンジニアを、 ゲーム機としてのiPhone / touch / iPadに対抗するためにPSPdoidを、 iTunesに対抗するためのソニーのコンテンツとGoogle Search / Android Marketを、 なにより今のソニーはビジョンを失いかけ、次の10年の事業戦略で迷走し、ファイナンスに少なからず不安もあるかもしれなければ、GoogleがSONY の買収という可能性を否定できない。それは両者を強烈に強くする事業シナジーと持ちつ持たれつ、の関係を築く可能性がある。Googleにとってもハード ウェアの弱点を克服できるだけでなく、まだ輝かしいSONYブランドは魅力だろうし、PS3のマルチコアプロッセサーはGoogle PS3クラウドコンピューティングとしてPS4の可能性だって生まれて来る。 奇しくもPS3の生みの親である久夛良木健氏は2004年ごろコンピューティングパワーのリアルタイム性を予言しており、現在Googleが苦手としてい るリアルタイムウェブを先取りしていたのである。SONYがもう一度輝かしい未来を描くには、この組み合わせも悪くないのではないか。 もし将来、ストリンガーCEOがそのような決断をしたとしても我々日本人としてそのSONYの決断を受け入れる準備はできているだろうか。 SONYGLE(ソニーグル)、このあり得なそうで、あってもおかしくない未来にしばし妄想あれ。 その時までこのサイトで遊んでくだされ。 P.S. sonygle.comを検索したらまだだれも登録してなかったので、登録しておいた。もし買収してSONYGLE(万が一)になったらこのドメインを譲ろうと思う。 P.S. 2006年頃、ここまで壮大でなくてもホリエモンがSONY買収を目論んだのは来るべきネット世界をやはり予見していたのだろう。 起業家 渡部薫 Twitterはこちら |
イマドキの起業のしかた
僕は自称、ベンチャー起業家。これまでに10社くらいは起業し、直接、間接合わせて40億円ほど資金調達して、自分の手金を投資したことがあっても、借金
してまで起業したことはないし、保証人になったこともない。見方にもよるだろうがまだ成功はしていないが(苦笑)、リスクの割には大きな失敗もしていな
い。 そんな僕がここ1、2年で明らかに起業のスタイルが変わったと感じることがあり、起業を志している人の役に立てばと思いそのノウハウとイマドキの起業法を伝授したい。 まず心構えから。おいおい精神論からかよ、と思うかもしれないが、、、 ■心構え 1. 起業は怖くない リクスは避けるものではなくヘッジするもの。自分の許容できるリスクの範囲をきちんと見定めること。最大のリスクは恐れるという心の弱さのことなのだ。恐れるということを恐れよ! 2. 安定基盤を捨てなくても起業はできる。 サラリーマン諸君に言いたい。辞めるというリスクを取る必要はない。それで怖さが和らぐなら、サラリーマンであることを有効活用しよう。日本の雇用法は素敵だ。とりあえず9時〜18時しっかり働けばよい。残りの時間を自由に設計しなさい。 3.サラリーマンでも1日8時間、年にすると2920時間以上使える 約3000時間分の自由がある。これだけあればかなりのことができる。起業を月給や年収単位で考えるのではなく細切れの時間単位で考えるようにするこ と。あなたがもし1000円/時間の価値を生むビジネスを始められたら、300万円にもなるのだ。もちろん夢はもっと大きく持っていい。恐れを少しでも感 じるならばこの方法をまずおすすめする。 4. 考えるな、まずやれ! あれこれ悩むんじゃない、考えるんじゃない、相談するな。事業はやってみないとわからないことばかりだ。ただしこの方法はあくまでゼロコストでやれる事 業に限る。ゼロコストスタートアップというのは限りなく無駄な出費を抑え資金を100%能力価値に費やす手法だ。以下の方法↓ 5. 労働集約モデルを捨て、できるだけストック型モデルを考えること 自分の労働時間に比例する事業は避けよう。体調を壊したり代わりの者ができないようでは事業の拡大ははるかに難しくなる。ストック型モデルというのは一 旦契約なりお金が入る仕組みができると後はほぼ自動的に集金できるビジネスモデルのことだ。水道、ガス、電気、携帯電話などはまさにそれ。コピー機を格安 でレンタルしてインク代で儲けていくのも似たようなものだ。 さて精神論はともかく具体的な方法に入ろう。 ■具体的な方法、それはクラウド型起業 クラウド型起業というとどういうものかというと、いくつか特徴がある。そしてこれは我々のジークラウド社を立ち上げたときの方法である。★はジー社の取った手法である。 ・オフィスを持たない(余計なコストはかけない) かといってSOHOのように自宅がオフィスというわけでもない。どこでも仕事ができるモバイルおよびクラウド型ワークスタイルのことである。これができないと細切れの時間を使って効率よく事業を進めることができない。 ★(東京の例で恐縮だが)六本木ヒルズにあるアカデミーヒルズを メインのオフィスにすればよい。1万円/月という料金で信じられない環境を手に入れることができる。一人あたりのスペースはそこらへんの社長室より広いだ ろう。何より49階と40階で見晴らしもよく、開放感抜群。狭いマンション事務所にするなんてありえない!電話と郵送物はどうするかって?極力メールと フォームを使え。郵送物なんてほとんどない。局留めを活用しろ。実際今もアカデミーヒルズで夜景を見ながら書いている。 ・Google Appsを使え Google Appsは最高の起業ツールだ。これがあれば大企業より優れたITソリューションを手に入れることができる。Google Appsを知らなければまずは勉強することだ。これそのものを教える時間は僕にはないが、今夏にはクラウドコンピューティング講座も準備するつもりだ。 ★ジー社が最初に立ち上げたサービスは2つあり、一つはRainbowApps。これはAmazon Web Serviceというクラウドコンピューティングを使っている。Yahoo! Japanよりサーバのパフォーマンスが高い(笑 もうひとつはiPhoneアプリ開発スクールですべてGoogle Appsを使って1、2ヶ月で構築した。すべて自分で作った。外注などしない。 ・資本金は1円で十分、取引銀行口座開設のために株式会社登記はしよう。 個人事業主と起業の決定的な違いは、法人口座を持っているかどうかにつきる。フリーランスや個人事業主は個人口座を使うが、せめて起業していると思いたいなら株式会社にしよう。それだけで取引先の対応は大きく異なる。 ・足りない能力はネットで見つけてコラボレーションする もうなんていうか僕の経験からいうとITの世界で(特にエンジニア)優秀で融通の効く人間はいくらでもいる。彼らは本当に優秀だが足りないのはビジネス センスと企画力、交渉力、コミュニケーション能力だったりする。技術力があれば技術で起業してもいいが、技術がなければ技術者をコラボできる方法を見つけ よ。 ★ジー社では技術者は全員プロフェッショナル契約ベースだ。エンジニアも社員になりたい派ではなく、自由を好む人たちだ。僕はすべて信頼して開発には基 本関与せず時間も場所も好きにやってもらっている。信頼関係こそすべてだ。経験上大企業の組織では仲間内の信頼関係すら構築できない。政治的なやり取りを するバカが多すぎるのとオールド世代のノンITリテラシー世代がすべてを邪魔するからだ。 ・自由でオープンな環境こそが自由な発想とクリエイティブなサービスを生み出し続ける クラウド時代ではすべてはネットワークでつながる。時間も場所も仕事そのものに拘束されることはない。コラボレーションは同期もあれば非同期もあるがゆ るやかなつながりが生産性を上げるのだ。通勤、部署、稟議、決裁すべてストレス以外何ものでもない。自由には責任を伴う。それがわかる人と仕事をしろ。 ★ジー社では就業規則などない(笑 業務契約だけだ。開発管理はすべてオンラインWikiで行われる。チームが面と向かって話すのは週1回1時間程度だ。 ・大きく儲けるより、小さく持続性のあるものがゼロコスト、ロングリターンになる。 起業と言えばハイリスク、ハイリターンだとか言われるが、これからはゼロコスト、ロングリターンを目指すべきだ。ロングリターンにしていくには顧客との関係作りが重要だ。また大企業(大資本)が参入できないように自らの事業は小さく、スピーディーに行うことだ。 ★ジー社のiPhoneアプリ開発スクールで 言うと、毎回受講生のアンケート結果によってカリキュラムを改善する。完全だと思われるカリキュラムはiPhoneの世界では3ヶ月で不完全になるから だ。大手プログラミングスクールが参入しても、我々はスピードと受講生とのコラボレーション教育モデルによってエッジを効かせられるだろう。ゼロコストと いう観点からいうと、コンピュータプログラミングスクールを開講しようと思えば教室の設備投資やら多大な投資が必要に思える。しかしモバイル&ク ラウド時代すべてのコンピュータリソースは受講生が持っているし、オープンソースで開発できるため、むしろ受講生のカスタマイゼーションを提供する方が喜 ばれるのである。したがってジー社では0コストでプログラミング教室を開講することができた。 ※実際には0コストではないが、これまでに比べると初期コストは10分の1から100分の1くらいに抑えられるという意味 ・ベンチャーキャピタルも成長している これまでベンチャーキャピタルはそもそもオフィスもないような会社に出資するなどあり得なかっただろう。しかしジー社のVCであるサイバーエージェント社は実に画期的な英断を下した。クラウド型ベンチャーに投資したのである。VCにとっても当たり前だが投資判断は、事業内容とそれを実行する人たち(メンバー)の能力を元に判断すべきであり、場所や設備によって判断がされるわけではない。 ★ジー社では出資してもらったお金はできるだけ100%エンジニアの能力に投資しようとしている。オフィス代、交際費、移動費などオールド世代が出世し たら無駄を貪るようなことに他人の資本を使うことはない。これはGoogleが電気を100%クラウドコンピューティングに使いたいという思想に似てい る。我々は生産性能力と創造性能力のエネルギーのために資金を使うのだ。 ・スピードこそ命 ウェブビジネスはとても小さく、早く、短くなってきている。iPhoneアプリやAndroidアプリなどロングテールのあらゆるニーズを埋めるために 無数に開発されるだろう。もはや大企業はこれらのニーズにスピードで付いていけない。要するにスピードは重い方が不利だからね。軽ければ軽いほどいい。 ★ジー社ではRainbowAppsを正味3ヶ月×2人のエンジニアでリリースし、スクールは2ヶ月×2人で開講にこぎ着けた。すべてのシステム構築と 入金確認などビジネスフローも含めてだ。なぜこんなことが少人数、短時間でできるかというとすべてオンラインで進めるからだ。われわれに無駄な移動時間や 会議などはない。いつでもどこでも仕事ができるという環境は、求められるスピードに対して、気軽に休息を取ったり息抜きのための美術鑑賞やカフェでのんび りしたり、大切な人との大切な時間を取る事も可能にした。 詳しくノウハウを出せばもっと長くなってしまうのだが、クラウドコンピューティングを駆使し、モバイル型のワークスタイルとネットワーク型のワークフロー にして、オープンな事業モデル、ゼロコスト・ロングリターンモデルに当てはまるよう創造していくのだ。結果、事業実務はとてもシンプルで経理も自分ででき る。経費計算は10項目くらいしかない。今は自分の得意分野でしか実践していないが、やりながら感じることは、他にもこの手法が当てはまるビジネスはたく さんあるだろうということだ。 我々が何をしたかというと高度なクラウドソリューション(Google AppsやAWS)を使って、高度なサービスを作り上げたのではなく、クラウド型に業務プロセスを再構築しただけなのだ。たったそれだけで競争力のある新しいサービスが作れるのだ。 願わくはこれを読んでいるあなたがいち早くそれを見つけ実践してほしい。質問や相談があれば、こちらからどうぞ。 P.S. この話は、ゼロコスト・ロングリターンモデルをターゲットにした起業法のひとつであり、ハイリスク・ハイリターン的なスタートアップベンチャーの立ち上げ 方はそれぞれですよ。言ってみれば昔の飲食店モデルで言えば同じハンバーガーレストランでも、ファーストフード店を作るようなイメージです。プロセスのス ピードが変わるだけで新しいサービスが生まれる。 起業家 渡部薫 |
クラウド型ベンチャーが大企業にとって脅威になる日
【講演のお知らせ】2月1日(月)20時〜モバイル夜間大学にて講演します。 45億円を資金調達した男が、クラウドのもたらす革命を語る! クラウドコンピューティングとエネルギーの関係、スマートフォンとクラウドのシームレスな仕組み、 クラウド型ベンチャー企業の立ち上げ方のノウハウについて、 インターネットの歴史とデジタル情報革命に沿ってわかりやすく紹介します。 iPhoneやAndroidなどスマートフォン化が進めば進むほど、 クラウドコンピューティングの重要性が増します。 インターネットの過去、現在、未来を見据えながら、 これから迎える新しいウェブの世界を紹介します。 インターネットはエネルギー産業に近づいており、 なぜGoolgeやAmazon、Microsoftがこぞってクラウドコンピューティング事業を最重要戦略として取り組んでいるのか、 電力と送電の仕組みを理解してコンピューティングパワーを使いこなせば、 大企業に匹敵する新しいベンチャー企業のあり方がわかり、 さらに新しいワークスタイルを築くことができます。 詳細はこちらを参照ください。 |
子ども靴10円、ビジネス靴20円、USB Flashメモリ10円、iPhoneはSIMロックフリーで買える
【お知らせ】アリババ中国貿易セミナー - 世界からモノを買える人を増やす。世界にモノを売れる人を増やしたい。 Googleが中国から撤退する可能性があるらしい。昨日はそんな衝撃的なニュースが駆け巡った。 中国の知識層はそれが愚かな決定だと言い、Alibabaのジャック・マーCEOも「放棄は、最大の失敗」と言っている。 アリババ馬氏「放棄は、最大の失敗」-グーグル中国撤退検討で グーグル、中国撤退すれば「史上最も愚かな決定」-中国識者 さて、Googleの理念には「邪悪になるな - Don't be Evil」という有名な言葉がある。今回中国はGoogleに対して邪悪になったのだろうか。また「スーツがなくても真剣に仕事はできる。」という言葉もあり、「中国がなくても真剣に仕事ができる」という一説を加えたのだろうか。 「中国を放棄することは、世界の半分の市場を放棄することに等しい」と言われているが、Googleは中国という経済圏を失うのだろうか。 おそらくGoogleがいなくても中国の経済は止まらないし、中国のインターネットの進化も止まらないだろう。 インターネットは何も情報の世界だけに破壊的なイノベーションを起こしているわけではない。流通や貿易と言った国際間の商取引にも破壊的な影響力を及ぼし始めている。 ちょうど昨日、楽天の三木谷社長が言ったように、「インターネットは情報や金、モノの流れを根本的に変える革命である。政治家はインターネットという怪物を理解していない。明治維新以上のインパクトがある」のだ。 モノの流れについて、我々はインターネットの破壊力を知らなすぎるのだろう。 ここにいくつか個人でも購入できる衝撃的な商品リストを掲載する。あまりに信じられない価格で途方にくれるかもしれないし、このサイトでしばらくあらゆる商品の価格を調べたくなるかもしれない。 中国アリババサイトとアリババが提供するコンシューマ向けAliExpressというサイトだ。 ここではなんと、子ども靴は10円、ビジネス靴は20円、USB Flashメモリ10円、iPhoneはSIMロックフリーで買える! (多少ロット数の確保と輸送料がかかるけどね、いろんな仕入れ値を探ってみてください) 巷ではユニクロ型デフレとかユニクロ悪玉論とか言われているようだが、インターネットの現実を知っている僕からしたらこれはデフレではない。インターネットによる流通の破壊的イノベーションが起きているのである。ここにある商品の品質と個数、輸送料が個人消費の許容範囲に収まれば、イオンやセブンの安売りに飛びつくだろうか。990円で売っている子ども靴は10円~50円で買う事ができる。近所のママさんが集まれば数量と輸送料の問題も解決できるだろう。 ソフトバンク孫正義社長は、「モバイルインターネットを制する者がインターネットを制する。アジアを制する者が世界を制する」という言葉を残しているがその理由の一端がここにあるのだろう。 インターネットと中国を知ることは、どうやら新しい市場ルールを学ぶことにつながるのかも知れない。 インターネットの破壊力はすさまじい。これからは買う側も売る側もグローバル社会で競争に晒されるのだ。そして同時になんてエキサイティングな世界が待っているんだ、と思わずにはいられない。 起業家 渡部薫 P.S. AliExpressで何か買った人がいたらレポートしてほしい。ほんとにその値段で買えるのか(もちろん買えるんだけど)、その体験を聞きたい。 ※AliExpressの商品は1個単位で購入できるものもあれば、10~100とかある程度のロット数の価格条件がある。また輸送料を入れると割高になる場合もある。日本からもクレジットカード決済で購入することができる。 【お知らせ】アリババ中国貿易セミナー - 世界からモノを買える人を増やす。世界にモノを売れる人を増やしたい。 |
Googleで安心
僕は基本的にGoogleという企業を信頼している。今日、TCのこの記事のようなものが出てくるとますますGoogleのクラウドに個人データを預けていることやサービス運営上のシステムを依存していることにおいても安心できる。 従来このような顧客と企業の信頼関係は、主に銀行が担っていたものだ。しかし20世紀と違い、今は21世紀。人々はお金よりもデータを預ける場所を探している。僕が前職いた会社ではこうしたことを延々と訴えきたがまったくクラウドコンピューティグやクラウドのセキュリティの重要度を理解してもらうことはなかった。むしろ組織はクラウドに対して異常なほどの嫌悪感と疑念を持ち続けていた。彼らは未だに自分たちの貧弱なデータセンターやセキュリティの方がGoogleやAmazon、Microsoftが提供するクラウドコンピュータより安全だと思っている。そして未だに100Mしか保存できないメールシステムや毎日PCのローカルHDDにダウンロードを余儀なくされるシステムこそが最も安全なデータ保存の仕組みと思っているようだ。 Googleのようにこうした攻撃を受けることは、Google自体のセキュリティレベルを格段に上げる結果となる。そして一企業では到底追いつけない技術の差が日々生まれているのだ。こうした変化に気づかない人的要素こそ最大の懸念でありセキュリティホールだということを経営陣は気づくべきだろう。 Google、中国からの大型サイバー攻撃に中国市場撤退も 多くの企業や個人が日常的にサイバー攻撃に遭っており、Googleも決して例外ではない。われわれは最近、当社の社内インフラストラクチャーおよび20社以上の上場企業を標的としたサイバー攻撃を発見した。本件は、その手口がきわめて高度である点が特に注目される。Googleアプリおよび関連する顧客データは、この攻撃の影響を受けていないと信じている。公式Googleブログに、当社が一般向けに公開した声明が載っているので読んでいただきたい。 この攻撃がさまざまな疑問を呼ぶことが考えられるので、この機会を利用して、いくつかね追加情報をお知らせするとともに、Googleが新しいセキュリティー基準を導入して、みなさんのデータの安全を確保していることをお伝えしたい。 これは、クラウドコンピューティングに対する攻撃ではない。金融、テクノロジー、メディア、化学薬品をはじめとする広範囲にわたる主要企業の技術基盤に対する攻撃だ。攻撃に使われた経路は、個人のパソコンに侵入する悪質ソフトウェアである。インターネットに繋がっているどのコンピューターも、このような攻撃の標的になる可能性がある。当社の社内ネットワーク上の知的財産の一部は侵害されたが、当社顧客のクラウドベースのデータの安全は引き続き守られていると確信している。 どの企業も、こうした攻撃の対象になる可能性があるが、当社のクラウドサービスのユーザーは、当社のデータセキュリティー機能の恩恵を受けることかできる。Googleでは、膨大な時間と金額をセキュリティーに投資している。当社にとって、これ以上重要なものはない。今回の攻撃に対する対応を見ていただければ、当社がシステムを守り、当社を信じて重要なメールや文書情報を預けているユーザーを守ることに専心していることがおわかりいただけるだろう。これをお伝えするのは、当社が透明性、責任、顧客からの信頼の維持を約束している証である。 起業家 渡部薫 |
Google 人類史上最も重要なエネルギー企業になる(かも)
こちらに再更新した記事が掲載してあります。 「米グーグル、エネルギー事業への本格参入に向けて認可を申請」というニュースが池田信夫氏のTwitterから流れて来た。昨年末に、2009年ウェブの最大のニュースはマーク・アンドリーセンとしたが、2010年ウェブの最初で最大のニュースはGoogleエネルギー企業になる、にしよう。 Googleがエネルギー企業になる予感は、2006、2007年頃からあった。このころから本格的に始まったクラウドコンピューティング化によってGoogleの事業戦略上最も重要なことは、検索技術開発でもなく、広告でもなく、AndroidでもChromeでもなく、エネルギーの確保になったからだ。(※Googleにとって技術開発は命であり引き続き最重要である) 有名な話では、Googleのデータセンターの運営コストの7割くらいは電気代だということで、ここ数年Googleのデータセンターは電力発電所の近くか、電力を極力安く卸してくれる地域に建設されている。また2006、2007年頃米国のロサンゼルスでは電力不足に陥り、インテルの工場に電気が送られないなどIT企業にとって致命的とも言える事態も起こっていた。Googleにとって自分たちの電力を安定確保しなければ、Googleの事業を拡大する上で唯一の障害になる事が明らかだったからだ。2004年にGoogleがIPOしてからは、Googleにはあらゆる企業が羨む資本(資金)と優秀なエンジニアが集まり、ウェブサービスも順調に拡大していた。 Gmailを始めとする今でいうGoogle Appsという検索以外のクラウドコンピューティング化を加速させたのもこの時期からだろう。そしてこれまでの常識では想像できないような巨大なデータセンターを建造していくことになる。データセンターに関しては徹底した秘密主義を通していたGoogleだが最近では情報も出て来ており、現在はデータセンターは第5世代まで進化したようだが、第4世代のコンテナ型データセンターの紹介ビデオがここにあるのでその規模の大きさや技術について知るにはちょうどいいだろう。 これを見るとわかると思うが、もはやGoogleにとって事業拡大の障害というのは「電力の確保」でしかない。資金も人的リソースも無限に手に入れられるGoogleでもデータセンターを運営するための電気は無限に手に入れられないのだ。 そして必然的にGoogleの事業戦略はインターネットやウェブから電力の確保というエネルギー戦略に移行していくことになる。 Googleは以下のような取り組みを始めた。 ・データセンターの電力消費量の最適化(電気エネルギーをかぎりなく100%CPUに使うこと) ・一般家庭の電力消費量を見える化し、無駄な電力消費を抑えようとスマートメーターを開発 ・非効率な電力送電網を次世代送電網に換えるスマートグリッド構想(オバマ政権の元で推進中) ・電力発電所の側にデータセンターを構築し送電ロスと消費の効率化を図る ・グリーンエネルギー開発に乗り出し、化石燃料以外の自然エネルギーを推進する などだ。 これらを並べてみるとGoogleはグリーンエネルギー推進企業で、地球にやさしいエコ企業に見えるが本質はそうではない。極論すると単に自分たちがエネルギーをほしいだけだ。大半のエネルギーは化石燃料から作られるので、今のうちからエネルギー確保をしておきたいだけである。 なぜなら、世界経済やあらゆる産業は今後もっとすさまじい勢いでコンピュータパワーを必要とするからだ。これはクラウドコンピューティングパワーと言っていい。スマートフォン化が進めば進むほど、クラウド側でアプリケーションや情報処理をしなければならない。医療やバイオ、ゲノムが進めば進むほど膨大なデータをクラウドで処理しなければならない。あらゆる家電製品、自動車、金融システムは今では想像もできないくらいのトランザクションとコンピュータパワーによる処理能力を求められる。メディアはグローバルに情報配信するようになりその主役はHDクオリティの動画となれば、その動画を処理し、配信するためのデータセンターのパワーはいくらあっても足りない。ダークサイドでいえば、戦争やテロもコンピュータパワーをベースにした対応が迫られるだろう。 このような世界がすでに見えているのであれば、Googleがエネルギー産業に参入するは安易に想像できるし、これからやろうとすることも見えてくる。 記事によればまず電力販売会社になるようだが、それはとっかかりに過ぎないだろう。まず最初にやりたいことはあまりにも無駄が多すぎる送電システムの入れ替えと産業で消費される電力の見える化だろう。これによって10〜20%でも電力消費量が抑えられればその分Googleが使える電気が増える。 さらにエコとかグリーン運動が盛んになれば化石燃料から作られる電力を、その電力発電所の側になるGoogleデータセンターが独占できる(極論)。原子力発電などもひっそりとコンピュータパワーを作り出すための電力として建造されていくだろう。 次の段階はまさしくGoogleそのものがエネルギー企業になることだ。しかしそれは電力を生み出し、電気を売る企業ではなく、電気エネルギーをコンピュータパワーとして売る企業の姿である。そう、まさしくそのときにインターネットはエネルギーと融合されたエネルギーインターネットという新しいエネルギーを生み出すだろう。そして電気は送電の際にその多くを漏電(ロス)し、送電効率が悪いがコンピュータパワーに変換されれば、地球の裏側に送ってもロスはない。これが次世代インターネット網の破壊的イノベーションになるだろう。さらに電気はワイアレス(無線)で送る事が出来ない。しかしこれも電気がコンピュータパワーに変わった後はワイアレスブロードバンドで送る事ができる。そう、これがiPhoneやAndroidが目指しているモバイルインターネット(スマートフォンとクラウドコンピューティングがシームレスにつながった端末とその世界)である。 その世界の行き着く先は、極端に言えばこんな世界。電気エネルギーの移動コストが0になった世界だ。 その時Googleは人類史上最も重要なエネルギー企業として君臨しているかもしれない。(仮説) 「そんなバカなっ!」と思ったかな〜? こちらに追記など更新記事が掲載してあります。 |
パワーを手に入れる
今年のテーマはもちろんクラウドコンピューティングだ。巷で言われているようなクラウドとは違う。クラウドをどこまで自分のパワーに替えられるか、そういう挑戦をしたいと思う。 多くの人がクラウドコンピューティングを無限のストレージサービスと勘違いしているようだが、本質はコンピュータパワーのコントロールにあると思っている。個人でいったいどれだけのコンピュータパワーを手に入れたのか、それを活用する事でどんなことが実現できるのか想像すらできない。 僕らが立ち上げた新しいサイトRainbowAppsではあらゆるものがクラウドコンピューティング化している。ウェブサービスはAmazon Web Serviceで構築されているが、そのパフォーマンスは大手ポータルサイトより高い。メンバーのコミュニケーションにはGoogle Appsを使っている。このブログもGoogle Sites上で書いている。 このコンピュータパワーを使いこなすことで、20世紀型のワークスタイルを覆したいと思っている。大企業、大資本、大組織でしかできなかったようなことが、個人とそのネットワークによって実現可能になるだろう。 今年1年自分なりにこのパワーを使いこなしていきたいと思う。 起業家 渡部薫 |
2009年ウェブの最大ニュースはマーク・アンドリーセン
2009年、僕が選ぶウェブでの最大のニュースはApple
iPhone、話題のTwitterやFacebookでもなく、またGoogle、Microsoft、Amazonでもなく、あのネットスケープブラ
ウザの開発者で知られるマーク・アンドリーセンを選出したい。 今年多くの話題はやはりiPhoneやGoogle、Twitterなどで占められていたが、未来を予感させる動きとして、マーク・アドリーセンが何をしたか、そして何をしようとしているか紹介したいと思う。 2009
年はまずiPhoneに代表されるスマートフォン、モバイルインターネット時代が本格的に花開き、Twitterはまさにモバイルインターネットの申し子
として爆発的な普及をしている。Googleはリアルタイム検索に力を入れ、モバイル広告を成長戦略に上げる。Androidは来年から本格的にリリース
され、世界中のモバイルキャリアやメーカー、そしてユーザの期待度も高い。AmazonはKindleでの電子書籍販売というビジネスモデルを確立し、
AWS(Amazon Web Service)クラウドコンピューティングは飛躍の年を迎えようとしている。 そんな輝かしいニュースや動きの中でマーク・アンドリーセンである。 マーク・アンドリーセンを 知らない人もいるかもしれないので、少し紹介すると、彼は最初のウェブブラウザ Mosaicを開発し、そのあとあのネットスケープを創業する。ブラウザ戦争ではマイクロソフトに破れたが、あれから約10年経った今、Facebook の取締役を兼任し、自身のファンドを通してeBayからSkype創業者のニコラスと共にSkypeを買い戻し、新しいコンセプトのソーシャルブラウザの開発するためにRockmeltを立ち上げた。 この動きから推測するにあたり、以下のキーポイントを整理しておく。 ・Facebookは3億5000万人を超えるユーザを抱える世界最大のソーシャルグラフ →日本ではTwitterの影に隠れているが、真の王者はFacebookである。 ・eBayはSkypeを手放し、マーク・アンドリーセンが手に入れる →ウェブがPCからモバイルに完全に移行しているのは周知の事実。AppleやGoogleの動きを見れば一目瞭然だろう。いわゆる携帯電話はデータ中 心のモバイルインターネット時代に突入し、電話ではなくリアルタイムコミュニケーション(音声、メッセージ、フィード)に変わる。 ・ソーシャルブラウザ、それは新しいモバイルインターネット時代のブラウザ →マーク・アンドリーセンが開発するブラウザはモバイルIEでもモバイルFireFoxでも、モバイルSafariでも、Chromeでもない。それはブラウザを超えたFacebookウェブである。 マーク・アンドリーセン、マーク・ザッカーバーグ、ニコラス・センストロムの3人の組み合わせは、Facebook、Social Browser、Skype、という真のモバイルインターネット時代のウェブの未来を垣間見せる。 その未来の世界はFacebook Webであり、Webを社会基盤とし、そこで生活する人々、経済活動する人々の基盤となるだろう。 大げさに言えば、マイノリティ・リポートで見せた未来世界の一部がこの組み合わせで実現できてしまうだろう。 さて、残念ながら今の日本にこのようなビジョンを描けるようなウェブ企業は存在しない。梅田望夫氏ではないが、今の日本のウェブは残念だ。まっ たく幼稚で特にオールド世代(45歳〜60歳)の経営層にいる人たちは絶望的なくらいウェブリテラシーが低い。また大企業の組織は、もはや脳死状態であ り、ウェブというフロンティアで生き残ることはできないだろう。さらにこの世代が最大のガンであるのは、それ以上の歳の人たちはウェブのイノベーションに は無関心だが、オールド世代は直接の脅威と捉え、若い世代のイノベーションをつぶす力を持っているからだ。しかし日本にも希望があり、このアゴラの読者や 起業を目指している多くの若い力が存在するのも事実であり、70年代、80年代生まれの人たちがきっと立ち上がってくれるだろう。楽天、サイバーエージェ ント、mixi、GREEを筆頭に彼らの周りにいるエンジニアや投資家は常にチャンスを狙っている。この世代がもう少し資金と経営決裁権を持てるようにな れば日本のウェブもだいぶ変わるだろう。2010年ウェブはますますグローバルなコミュニケーションの場として広がるのだからオールド世代に出番はない。 というわけで、マーク・アンドリーセンがどのようなブラウザを設計するのか、Facebookがどのようなウェブを作り上げていくのかiPhoneやAndroid以上に興味のあるところだ。この予想のつかないエキサイティングな未来を今年最大のニュースにしたい。 Googleがウェブをもう一つの地球としてマスタープランを描き、クラウドコンピューティングとChrome OSを推進する中で、Facebookはウェブをもう一つの地球として捉え、そこに新しい社会基盤、すなわちウェブ国家を構築していくという戦略の違いが鮮明に見えるではないか。 起業家 渡部薫 RainbowAppsプロデューサー Search "kaoru watanabe" on Facebook、Twitter、LinkedIn ※追記 ここでいうオールド世代(45〜60歳)は一般的な範囲で、もちろんこの世代でもITとウェブセンスのいい人たちはたくさん存在する。いわゆるITを駆使 した知的生産性が低い人たちを指し、ウェブイノベーションを受け入れないばかりか、それに恐怖する人たちである。恐怖に対抗する唯一の手段が見て見ぬ振り をすることだからだ。 |